2009年2月11日水曜日

本当の優しさ



私の尊敬する方々を挙げればキリがありません。実際に指導を受けた方、間近で見た方、逢ったことも話したことも無い方、たくさんいらっしゃいますが、大学時代指導を受けた森田桂さん(前國學院大學陸上競技部監督)からいただいたお話の一つをしたいと思います。
それは「本当の優しさとは何か」ということです。
おっしゃられたことは「人に対する優しさとよく言うけど、本当の優しさを知っているかい?本当の優しさというのは本当に相手のためになることを言うんだよ。最近は相手に甘くすること、相手を怒らないこと、相手の機嫌を損ねないようにすることを優しさと“勘違い”しているように思う。君たちも、本当に相手のためを思うなら時には怒る、注意することが必要なんだ」ということです。
当然怒れば相手はよく思いませんから、嫌がられたり嫌われたりすることもあります。またただ自分の感情で怒ってもいけないでしょう。しかし、言ってやらなければわからないことというのはあるのだと思います。私にしても、後輩によく思われなくても言うことがありました。特に私なんぞ脚は遅いほうでしたから、速い選手に言うのは気苦労もありましたし、言わなくてもいいんじゃないか、わざわざ目の敵みたいになりたくないと思うことはありました。
ただ、学生時代のその体験は今にも活きているように感じます。今でも耳の痛いことがあっても、「相手が本当の優しさで言ってくれてるんだな」と思えば心にすんなり入ってきます。
この「本当の優しさ」を持っている・使っている選手に、私は「リーダー性」を感じます。様々な事件、出来事の起こる昨今ですが、このような「リーダー性」を持った人材を高校卒業時に輩出できれば・・・と願う次第です。



yamazaki